「男性のみなさん、わたしたちの首を…」判事たちを圧倒したアメリカ史上2人目の女性最高裁判事が「引用したことば」
来たる大統領選挙に向けて、騒がしさを増すアメリカ。先日行われた討論会では、共和党のドナルド・トランプ氏が30件以上もの誤った情報を発信したとして大きな話題となった。2024年9月現在のアメリカ合衆国連邦最高裁判事は、共和党大統領指名の保守派が6人、民主党大統領指名のリベラル派が3人と、非常に偏った構成になっている。連邦最高裁判事の指名権は大統領にあるため、大統領選の結果次第でこの比率に大きな影響が出るとして、期待と緊張が増している。
さて、民主党大統領候補のカマラ・ハリス氏、そしてハリス氏を援護するオバマ元大統領夫妻が、深く敬愛していた判事がいる。史上2人目の女性最高裁判事、故ルース・ベイダー・ギンズバーグ氏(通称RBG)である。彼女は、有色人種への差別を肯定する最高裁の判決を法廷で痛烈に批判した。この反対意見から大きなムーブメントが起こり、彼女はアメリカでもっとも有名な判事となった。
法曹家としてはもちろん、妻、母、上司としても素晴らしく魅力的だった彼女の人生を伝える評伝『NOTORIOUS RBG』の日本語版『アメリカ合衆国連邦最高裁判事
ルース・ベイダー・ギンズバーグの「悪名高き」生涯』が、RBGの3回目の命日を迎えるこの9月に出版となる。本書の中から、RBGの若き法曹家時代を紹介する。