「倭寇」という言葉、じつは戦時中の「日本の教科書」から消えていた…そこから見えてくること
K-POPが世界を席巻する一方で、「嫌韓」といわれる現象が渦を巻く。中国の富裕層の日本への移住が増えている一方で、中国政府の外交姿勢は強硬化している……。東アジアの情勢は、これまで以上に混沌としてきているように見えます。東アジアの現状をじっくりと考えるためには、その歴史について知るのが近道です。そのさいに役に立つのが、『倭寇』という一冊。本書の著者、田中健夫氏(1923〜2009)は、中世日本の対外関係の研究者で東大教授も務めた第一人者です。