【産経抄】6月17日
指揮者の佐渡裕さんが世に出る契機となったのは、音の間違い探しだった。平成元年のことである。国際コンクールでの出題に「譜面と演奏の違いを見抜け」とあった。課題曲のタクトを振るうち残り2小節で何かが引っかかったという。「その瞬間は、えっ? と思っただけ」。
指揮者の佐渡裕さんが世に出る契機となったのは、音の間違い探しだった。平成元年のことである。国際コンクールでの出題に「譜面と演奏の違いを見抜け」とあった。課題曲のタクトを振るうち残り2小節で何かが引っかかったという。「その瞬間は、えっ? と思っただけ」。