世界景気の後退が懸念されるなか、半導体市場にも逆風が吹いている。パソコン、スマホの需要鈍化を受けてメモリー(汎用向け)やロジック(演算向け)の市況は失速している。半導体市場の暗雲を振り払うかのように孤軍奮闘しているのがパワー半導体だ。電気自動車(EV)の効率的な充電や航続距離を延ばすには欠かせない重要部材のひとつで、昨年から脱炭素の機運が想定を上回る速度で高まったことが需要を押し上げている。最近では、ディスコ<6146>の3Q累計(4-12月)決算、ローム<6963>の上期(4-9月)業績見通しの上方修正など、いずれもパワー半導体の好調を裏付ける内容だった。今後も関連銘柄の動向には目を離せそうにない。