アントニオ猪木の腰の浮き沈みと、「過激なプロレス」の誕生を振り返る【村松友視】
彼が椅子に坐ったとき、私も同時に椅子に腰を下ろせばよかったのかもしれぬが、私は間近かに見るイノキの顔や軀の輪郭、それにこっちの心の奥を覗き込むような真剣な眼差しにかなりの緊張を強いられていたせいもあって、自分のなすべき行動に思いを向ける余裕などなかった。
彼が椅子に坐ったとき、私も同時に椅子に腰を下ろせばよかったのかもしれぬが、私は間近かに見るイノキの顔や軀の輪郭、それにこっちの心の奥を覗き込むような真剣な眼差しにかなりの緊張を強いられていたせいもあって、自分のなすべき行動に思いを向ける余裕などなかった。