手術上手な脳外科医が一転、ネクタイが結べず…東大教授を襲った「若年性アルツハイマー」の現実
東京大学教授・若井晋(54歳)。ある日彼は、自分が漢字を思うように書けなくなっていることに気づく。それは、医師でもある晋が最も恐れていた「アルツハイマー病」の兆候だった。人並外れた頭脳で人生を切り開いてきた男が、職を、知識を、そして言葉を失うとき、本人は、そして家族はどうなるのか。晋の人生を振り返りながら、絶望から再生へと至る道のりをたどる。第2回となる今回は、晋が紆余曲折を経て東大に赴任し、その後、認知症で仕事ができなくなっていくまでを追った。<『G2』(講談社、2013年)より連載>